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骨を溶かす恐ろしい病気、歯周病。
進行すると歯がグラグラしてきて、いずれ歯を失います。クリーニングはもとより、歯周病が進行した場合には歯ぐきより深い位置に存在する菌の温床を取り除く治療も可能です。

歯周治療

歯周病について

歯周病は、歯周病菌が出す毒素によって起こります。歯ぐきの腫れや痛み、歯ぐきからの出血、口臭などの症状を引き起こします。

歯周病菌の毒素が歯を支えている骨をどんどん溶かしていくため、そのまま放置してしまうといずれ歯を失ってしまう恐ろしい病気です。

それだけでなく、最近の研究では歯周病が全身疾患(心筋梗塞、糖尿病や誤嚥性肺炎、早産)などの原因となることが明らかになっています。

歯周ポケット

歯周病の治療を開始するにあたって、必ず歯周検査(専用の器具で歯周ポケットをはかる)をして、歯ぐきがどの程度下がっているか調べます。
歯周検査を行い、歯周病(病気)と認められることで歯周治療、保険適用のクリーニングを受けることが出来ます。

【歯周病進行度の目安】
歯周ポケット(歯と歯ぐきの間の溝)が深ければ深いほど、進行しているということになります。

通常、健康な歯ぐきの歯周ポケットは通常2~3mmまでですが、これが5mm~7mmでは中程度、10mmを超えると重度(末期)となり、歯がいつ抜けてもおかしくない状況となります。

歯周病菌が放出する毒素に反応して、歯ぐきの組織が後退することにより、歯ぐきが下がる原因の一つとなります。また歯ぐきが下がると、しみる症状を引き起こしたり、また末期には歯がグラグラしてきて抜けてきてしまいます。

歯周病の治療

歯周病の治療は基本的に、たまった歯石、菌を直接除去する以外にありません。

もし歯ブラシをあてる程度で出血することがあれば、その部位にかなり菌がたまっているという証拠になります。

残念ながら、歯石を除去したからといって、歯周病によって溶かされなくなってしまった骨や、一度下がってしまった歯ぐきを元に戻すことはできません。

更に悪くならないための処置になりますが、長い人生で自分の歯をできる限り長く使い続けていくためには、今以上に進行しないよう、現状維持していくことがなによりも重要です。

歯周病菌の感染

歯周病は、細菌によって引き起こされる感染症で、唾液を介して他人に移してしまいます。

まだ口腔内の常在菌が安定していない小さい赤ちゃんには、むし歯菌や歯周病菌を移してしまわないよう特に注意が必要です。

むし歯や歯周病の予防には、本人だけでなく家族全体での予防が大切となります。

PMTC(Professional Mechanical Tooth Cleaning)

PMTCとは、専用の機器、ペーストを使用してクリーニングを行うことです。

超音波で歯石を除去した後に、PMTCを行います。
表面を専用のブラシとペーストを用いてつるつるに磨くため、汚れをつきにくくすることができます。

PMTCのクリーニングでは、むし歯や歯周病の原因となる、ヌルヌルネバネバした菌の塊が作り出す膜、バイオフィルムの除去が可能です。バイオフィルムは通常の歯みがきや洗口剤だけで落とすことは不可能なため、PMTCでのクリーニングが必要になります。

当院のクリーニング

通常の歯みがきでは落としきれない歯石や歯垢を超音波機器で除去した後に、専用のペーストを用いて表面をつるつるに磨いて仕上げます。

歯石や歯垢は菌の温床となっており、取り除くことで歯ぐきや歯の健康を保つことが出来ます。

クリーニングをすることにより歯肉の症状も改善され、また、PMTCを繰り返すことで歯肉が引き締まってくるので歯垢がつきにくくなるのと同時に、むし歯や歯周病の予防にもなります。

専用ペーストを使い分けたPMTC

当医院の特徴として、ひとりひとりにあった専門のペーストを歯科衛生士が判断し、最適なPMTCを行っております。

インプラントに通常のペーストや歯磨き粉を使うと腐食してしまうことがあるため、インプラントのある方にはインプラント専用のペーストを、白濁や脱灰がありむし歯リスクの高い場合には歯の再石灰化を促進させ、歯を強化する働きのあるMIペーストを。患者様ひとりひとりのお口の中の状態に合わせて、最適なクリーニングを行っております。
また、別途料金などは発生しません。

ただ、当医院では保険のクリーニングは2回に分けて行います。1回ではできませんので、ご了承下さい。

SRP(スケーリングルートプレーニング)

歯ぐきの下に溜まっている菌(歯周ポケット内部の歯石や、歯根表面の汚染されたセメント質)をスケーリング(scaling)により除去して歯の根(root)を硬く滑らかに(planeに)することを含め、略してSRPと呼びます。

わかりやすく説明すると、歯ぐきより下にある歯石を除去するクリーニングです。
主に、歯周病が進行している場合に行います。

歯周ポケットの深さが全体的に4、5mm以上、歯周病が中程度進行している場合には行ったほうが良いでしょう。
※保険診療のルールで、SRPを行うには通常のクリーニングが終了してから1週間あけないと行うことが出来ません。また、SRP開始前には必ず2回目の歯周ポケットの検査を行います。SRP終了後は、歯ぐきの状態が落ち着くまで2週間あけたのち、歯周ポケットが最終的にどの程度変化したか、最後に3回目の歯周検査をします。

なぜSRPをする必要があるの?

歯周病菌の放出する毒素により、防衛本能から歯ぐきが後退していくため、除去しない限り歯周ポケットはどんどん広がり深くなっていきます。

溝が深くなると、雪が降り積もるようにそこにまた歯垢や細菌が溜まることで歯周ポケットはさらに深くなり、悪循環に陥ります。

保険適用の治療で、部位を分け最大6回に分けて行っていくため(残っている歯の本数にもよります)、金銭面や治療期間がかかることがネックですが、やるのとやらないのとでは歯周病の進行度が全く違ってきます。
深い位置の歯石を金属の器具で掻き出していくため、痛みを伴う場合には麻酔を使用して行います。

全行程を終了した後は、2週間あけたのち最終的な歯周ポケットの検査をして、改善度から個人個人にあったメンテナンス間隔を相談していきます。